『⁠横浜コ⁠インランドリー』泉ゆたか/対話がもたらす「心の洗濯」

てつやま
てつやま

こんにちは、てつやまです。

このたび、泉ゆたかさんの「心の洗濯」小説

『⁠横浜コ⁠インランドリー』を読みました。

《作品情報》

・書名  横浜コインランドリー

・著者  泉ゆたか

・出版社 祥伝社

・頁数  287

1.この本のここが凄い!

ブラック企業を辞めて引きこもっていた中島茜は、
洗濯機の故障で訪れたとあるコインランドリーで、店長の新井真奈と出会います。

真奈との会話を通じて元気を取り戻していく茜。

そして、このコインランドリーでは、多くの人が悩みを洗い流し、心を軽くしていき…

この作品を読めば、いやなことは洗い流れ、優しくて温かいものが心に残ります!

なぜこの本を読んだのか

「心の洗濯」とはよく言いますが、本当にコインランドリーで、
人間関係をすっきりさせてくれるという設定が、とても面白そうで読んでみました。

2.かんたんあらすじ

「ヨコハマコインランドリー」

それは、悩みをそっと洗い流す場所。

頑固な汚れも、胸の中の小さなトゲも、 このコインランドリーならきっと解決できる。

ふわりと軽やかな気持ちになる、心のリフレッシュストーリー。

心に響いたフレーズ

⁠あの頃の私は、「忙しい」という言葉の意味がわかっていなかった。ひとときもほっとする暇がなく常に「忙しい」ことが、こんな人の心を真っ黒に汚してしまうなんて、少しも知らなかったのだ。

主人公・中島茜の独白。

新卒で入った不動産会社がとんでもないブラック企業で、心を病み退職。
「忙しさ」が、自分の心を真っ黒にしてしまう感覚を経験。

うつで退職した自分と、少し似ているのかもしれないと、読んでいて感じました。

私自身、体力には自信がありましたが、「忙しさ」、そして「居心地の悪さ」は、
心身を病む原因になることを知りました。

心が真っ黒に包まれてしまうと、天災のように、あらがえない無力感に襲われてしまうことを知っているため、とても共感しました。

私もあんなふうに、皺くちゃになってしまった人生をゆっくり少しずつ伸ばしてみたい。手間と時間がかかってもいいから、広げた掌で撫でるようにゆっくりそっと。

コインランドリーの店長である新井真奈さんの、丁寧な対応をみた主人公・中島茜のモノローグ。

「ドンキホーテの袋」をつけて、乾いた洗濯物を長時間放置する利用客・通称「ドンキホーテくん」。

その「ドンキホーテくん」に対して、コインランドリーの作法を、丁寧なコミュニケーションで応じる真奈さん。

その心持ちや対応が、洗濯物の皺を丁寧に伸ばす行為に似ていると、私自身も感じました。

そして、主人公・茜にとっては、真奈さんと話し合う行為自体も、茜自身の心の皺を丁寧に伸ばしてくれる行為になりつつあるのだとも思いました。

3.まとめ

読んだことで得られたポイント

主人公の中島茜は、新卒で入った不動産会社がブラック企業で、心を病んで退職しました。

私自身、忙しさに翻弄され、心が真っ黒になる経験をしていましたので、
自分と重ね合わせて読み進めました。

主人公の茜は、しわくちゃになった人生を少しずつ直していきたいと願っています。

私も現在、「心のしわ」を丁寧に直している最中なのかもしれません。

茜は、店長との対話を通じて、心が少しずつ癒されていきます。
この物語から、人との対話や丁寧な対応が心を癒すことを再確認しました。

この本は

・人間関係に疲れている人

・仕事の忙しさに振り回されてきた人

・自分の気持ちを整理したいと思っている人

におすすめな作品です!

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