
こんにちは、てつやまです。
このたび、大山誠一郎さんのミステリ小説
『にわか名探偵 ワトソン力』を読みました。
《作品情報》
・書名 『にわか名探偵 ワトソン力』
・著者 大山誠一郎
・出版社 光文社
・頁数 252
1.この本のここが凄い!
待望の「ワトソンシリーズ」第2弾!!
推理合戦が起る「合理的な理由」を生み出したのが凄い!
前書『ワトソン力』ですでに能力を紹介していたので、
今回は、その設定をフル回転に使った謎が、かずかず用意されています!
巻き込まれた和戸と、推理力が向上した〈にわか探偵〉たちの推理合戦をお楽しみに!
なぜこの本を読んだのか
前作『ワトソン力』からの待望のシリーズ2作品目。
『にわか名探偵 ワトソン力』は、待ちに待った作品でした。
2.かんたんあらすじ
みんなの和戸(わと)が、帰ってきました!
周囲の推理力を、飛躍的に向上させるチカラ「ワトソン力」。
そんな不思議なチカラを持つ主人公・和戸が、様々な事件に巻き込まれる話
『ワトソン力』のシリーズ第2弾!
各章のカンタンまとめ
第1話【屍人たちへの挽歌】
→映画館内で死体発見!?しかも閉じ込められてしまい…。殺人犯と監禁犯を探り出せ!
第2話【ニッポンカチコミの謎】
→極道事務所で死体発見!?防弾チョッキを着た死体。この死体いったい誰!?
第3話【リタイア鈍行西へ】
→鉄道車内で死体発見。この被害者は、いつ鉄道に乗り込んだのか?
第4話【二の喜劇】
→等間隔に停止した2台のロープウェイ。双子の兄弟の死体が、それぞれの車内で発見!?
第5話【電影パズル】
→仮想現実ゲームプレイ中の殺人!?なぜ被害者はゲーム中に殺されたのか!?
第6話【服のない男】
→コテージで発見された裸の死体。服を脱がせなければならなかった理由は?
第7話【五人の推理する研究員】
→和戸、またも軟禁!?
〈ワトソン力〉のデータを集める怪しい研究員たち。
心に響いたフレーズ
「お申し出はうれしいんですが、捜査一課に入ることは、大学四年生のときからの目標だったので、辞める気はないんです」
前作『ワトソン力』のラストシーン。つぐみからの独立オファーの、和戸のアンサー。
前作からのファンであった私は、「結局どうするんだろう?」と思っていたため、
その回答が、本書冒頭ではっきりしてくれて、すっきりしました。
また、「大学四年生の時に、ワトソン力を社会の役に立てたいと考えて、最初に思いついたのが捜査一課に入ること」だと述べている和戸。
その当時、もしかしたらワトソン力を活かして何らかの事件を、解決に導けた体験でもあったのか?
今後の伏線になりそうなセリフだなと感じました。
「あなたの推理は、パイプのくだりでいくつもの穴がありますよ。パイプだけに穴があるというわけです」
「第四話 二の喜劇」にて。
いつものごとく、〈ワトソン力〉で推理力が向上し、推理合戦がはじまります。
その際、「ロープウェイ内から消えたパイプ」に関する推理で、
犯人と指摘された人物が、指摘した人物に対して反論を述べる際のセリフ。
だじゃれですが、思わず上手いと思いました。
くすり、と笑えるコメディ要素も、
この『ワトソン力』という本の魅力なのだと再認識しました。
3.まとめ
読んだことで得られたポイント
前作にも言えることですが、〈ワトソン力〉で推理力が向上して、推理合戦。
その流れで物語が展開するためか、とてもテンポ良く読むことができました。
また、殺人事件という凄惨な現場であるにもかかわらず、推理合戦自体のみを楽しめるのも、本作の強みだと感じます。
とにかく読みやすい!
本の構成が、オムニバス形式であることも、読みやすさの一部分だと思いますが、
文体も難しすぎず、楽しく読むことができました。
シリーズ第3弾が発売されるなら是非読みたいと感じる作品のひとつです。
この本は
・大山誠一郎さんの作品が好きな人
・前作『ワトソン力』が面白かった人
・ひと味違った推理合戦ものを読みたい人
におすすめな作品です!
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