
こんにちは、てつやまです。
このたび、藤山素心さんの会社員健康小説
『はい、総務部クリニック課です。』を読みました。
《作品情報》
・書名 はい、総務部クリニック課です。
・著者 藤山素心
・出版社 株式会社 光文社
・頁数 306
1.この本のここが凄い!
社長直々の命令で設立されたのは…「クリニック課」!?
「地味に生きてきた主人公」が、変わり者の同僚たちと出会い、
「誰かの役に立てる自分」を見つけていく、ほっこり健康仕事小説!!
仕事でのストレス、解消させるヒントがここにはある!
なぜこの本を読んだのか
書店で陳列されているのを見て、手に取り、パラパラとあらすじを見てみて、面白そうだと思ったから読んでみました。
2.かんたんあらすじ
主人公・松久奏巳が異動になったのは、新規に設立された「クリニック課」!?
変わり者でイケメン医師・森と、コミュニケーションモンスターでホスト風の薬剤師・眞田。
そんな彼らと一緒に働くことになり…
体調改善! 会社員健康計画、始動!
心に響いたフレーズ
人と競わず、争わず、かかわらず、なるべく魂の量がすり減らないようにすること。そうすればストレスは最小限で済む。手に入れるものは少なくていい。その代わり、失うものも最小限にすること。
主人公の松久奏巳の性格を言い表した箇所。
人と言い争って、ダメージを受けるくらいなら、手に入るものは少なくていいという考え方。
そして、この刺激には、一般的に楽しいと思われていることでも
「自分にはしんどい」というパターンもあって、人と戦いたくない、競いたくないという気持ちには、とても共感できました。
「楽しい刺激でも遠慮したい」という思想は、刺激によるデメリットが大きすぎた人に宿る。
「性質的にネガティブ」という以上に、心身疲れていることのサインなのだと学びました。
「俺は、理由のないため息を知らない」
医師でクリニック課、課長の森のセリフ。
確かに、ため息をついて、「何でもないですよ」と言われたら、言葉通り「あー、何でもないのか」と考える人は少ない。
しかし、それは暗黙の了解で「これ以上は相手を煩わせたくない」という気持ちが含まれていることが多いと思います。
一方、課長の森は、そういった言葉の裏にあるものを受け取るのが、苦手なのかなと感じました。
その森課長の性質とは別に、
「確かに理由のないため息は理論的にありえないだろうな」とも思いましたので、
私も言葉通り受け取るタイプであると再確認。森と自分の似ている部分を感じました。
そしてこれが嘘の症状でないということ、気の持ちようでもないということを、医学的に認めてもらえたことが何よりも嬉しかった。
主人公である松久奏巳のモノローグ。
おそらく彼女は、自らの「トイレが近くなる」という症状を誰かに相談したことがあるのでしょう。
その時、「気のせいだよ」、「繊細すぎるよ」などと真剣に考えてもらえなかった経験があるのではないかと感じました。
そして今、医師で課長の森の診断結果として、
「医学的にメカニズムが証明できること」が認められたという事実は、
自らを肯定されたに等しい。
彼女の喜びは、広汎性発達障害と診断を受けた私自身、とてもよくわかりました。
「なにかよくわからない、けど、しんどい」
「周りには、【ある】と認めてもらえない」
そのしんどさは、とても大きなものです。
3.まとめ
読んだことで得られたポイント
会社の福利厚生の一環として、実際にクリニック課という部署ができたら、物語のようにとても便利だなと感じました。
仕事の成果と、個人の健康状態は比例するものだというのが一般的な考え方。
労働人口減少のため、一人一人がパフォーマンスを落とさず仕事ができるということは、現代で求められていることです。
そして、主人公の松久奏己のような、「繊細で」「人の目が気になりすぎる」人間が、働きやすい環境こそ、みんなも働きやすい職場になると感じました。
この本は
・“自分らしさ”ってなんだろうと時々考える人
・繊細な体質をどう扱えばいいか悩んでいる人
・職場で自分らしくいたいけど空気も読みたい人
におすすめな作品です!
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