『刑事王子』⁠⁠⁠⁠似鳥鶏/バディものの楽しさを再発見!

てつやま
てつやま

こんにちは、てつやまです。

このたび、似鳥鶏さんのミステリ小説

『刑事王子』を読みました。

《作品情報》

・書名  『刑事王子』

・著者  似鳥鶏

・出版社 実業之日本社

・頁数  253

1.この本のここが凄い!

少年 ミステリー漫画の王道展開!

犯罪 トリックを提供する、謎の黒幕【ジョン・スミス】

対するは小国の王子と、外国語堪能なおじさん刑事!?

凸凹コンビ が不可思議な犯罪に立ち向かう!

なぜこの本を読んだのか

似鳥鶏の作品は、どんでん返しが多く、とても面白いです。
そのため、著者の新作ということで興味を持ちました。
さらに、『刑事王子』という一癖ありそうなタイトルだったため、さらに期待感がアップしました。

2.かんたんあらすじ

犯罪トリックを披露することにこだわる、マフィアとつながる黒幕「ジョン・スミス」
彼は、金田一少年の事件簿における地獄の傀儡子のような存在。

そんな正体を「はっきりさせたい」と願う小国の王子と、
外国語が堪能で「冷めた」おじさんが相棒となって、
不可解な謎に挑む物語。

心に響いたフレーズ

⁠⁠⁠本物の王子様とコンビなど冗談のようだが、メリニアの人口は山形県と同じくらいだ。山形県知事に随行する、と思ええばいいのかもしれない。

山形県の人口は1,014,517人(令和6年6月1日時点)。
100万人ほどの国の王族と考えてみても、いまひとつ実感が湧かない刑事・本郷。
日本は天皇制であり、天皇は日本国の象徴。
海外の王族を、「皇族」とひと括りにすると、少し違和感を覚えるのは、私も同じです。

こうしたお国柄の中で、どう接するべきかわからないと感じる主人公・本郷の気持ちは、
とても日本人らしい感覚だと思いました。⁠⁠

3.まとめ

読んだことで得られたポイント

自分の「好き」をとことん追求したようなマニアックさには、
刺さる人にはとても強く響くものがあると感じました。

黒幕である「ジョン・スミス」のアニメや漫画オタクぶりが徹底されており、
強烈な個性を放っていました。

また、バディものとしての魅力は、2人が異なる方向性でかみ合っていくところにあると思います。
行動力と若さに満ちた王子と、くすぶり続ける火だねのようなベテラン刑事

お互いに異なるキャラクター性を持ちながら助け合う姿には、思わず笑みがこぼれました。

探偵と助手という上下の関係も魅力的ですが、
対等な関係を目指すバディの関係性もまた素晴らしいと感じました。

この本は

・似鳥鶏作品が好きな人

・バディ作品が好きな人

・犯罪芸術家みたいなキャラが嫌いではない人

におすすめな作品です!

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