『異世界料理道⑨~⑩』EDA/自分が楽しい+人の役に立つ=最強!!

てつやま
てつやま

こんにちは、てつやまです。

このたび、EDAさんの異世界料理小説

『異世界料理道⑨、⑩』を読みました。

《作品情報》

・書名  異世界料理⑨、⑩

・著者  EDA

・出版社 株式会社ホビージャパン

・頁数  331/284

1.この本のここが凄い!

「異世界×料理」というのは、珍しいものではありません。

しかし、本作品が他の料理ファンタジー小説と違うのは、「チート」が全くないこと!

一つ一つ、異世界の食材と、見知った現代の食材を照らし合わせ、試行錯誤で料理していく。

そうして、料理を通じて、人と人の縁を紡ぐところが、ハートフル!

なぜこの本を読んだのか

他作品よりも、リアルに描かれた異世界料理小説だったから読み進めました。

没入しながら読むことができ、主人公とともに成長できる作品。

2.かんたんあらすじ

異世界に迷い込んだ少年が、料理の腕で、森辺の民と呼ばれる狩人の部族たちとの縁を結んでいく話。

9~10巻は、貴族サイクレウス登場編。

心に響いたフレーズ

「それで成功させることができたら、わたしたちは銅貨だけじゃなく、かまど番としてアスタのような誇りをも手に入れることができるんじゃないかしら?」

第9巻。森辺の民・ルウ家の次女、レイナ=ルウのセリフ。

アスタの「ルウ家にまるまる一つの屋台を任せたい」という申し出を受け、

同じルウの分家、シーラ=ルウは躊躇します。

そんな彼女に、自分も力を尽くすので頑張ろう、と励ますレイナ=ルウ。

もともと、アスタのように誇り高いかまど番になりたいと願っていたレイナ=ルウ。

彼女の決意は、すでにその時には、固まっていました。

「チャンスは、準備した者の前に舞い降りる」

願ってきた過去は決して無駄ではない、ということを教えてくれる、名場面です。

「だから俺は、誰も娶らない。夫婦になるってのは、きっとその相手と一生そばにいたいってことなんだろうからーお前さえいれば、俺は誰を娶る必要もないんだよ。」

第10巻。アイ=ファに向けたアスタのセリフ。

「アスタが誰かを嫁に迎える可能性」について、悩んでいたアイ=ファに向けた言葉。

異世界の森辺にやってきたアスタが、初めて会った人物、それがアイ=ファ。

彼女に心惹かれて、しかし狩人である彼女と結ばれる未来をそっと胸に押しとどめながらも、

アスタは相手に気持ちを伝えます。

『異世界料理道』という作品は、料理を通して人と縁をつないでいく話です。

そしてそれと同時に、彼らの愛情の物語でもあるのかもしれません。

森辺で一番重んじられるのは身体の頑健さである。狩人たる男衆はもちろん、女衆だって一日働きづめで、いずれは子を生すという大事な仕事を担わなければならないのだから、それが当然の話であった。アイ=ファが男衆を魅了してやまないのも、その際立った容姿のせいばかりではなく、これ以上もない頑健さが生命力の輝きとしてその身に纏われているためなのだと思われた。

第10巻。「箸休め ルウ家の末弟と家族たち」での話。

番外編における地の文なため、一般的な話として、アイ=ファについて語られています。

異世界の中でも森辺の民は、とても生命力あふれる存在

そしてその中でも、森辺の狩人というのは、特に生命の力がほとばしっている存在。

だからこそ、女衆でありながら、狩人でもあるアイ=ファは、綺麗な顔立ちだからというだけではなく、心身ともに力強さを感じ、魅力的に映るのかもしれない、と説明しています。

物語において、確かにアイ=ファは男女問わずにモテモテです。

これは現代社会でも同じなのではないかと私は感じました。

きらめくエネルギーを持つ人物を応援すると、その応援している本人もエネルギーをもらえるような気持ちになります。

アイ=ファはまさしく、アスタにとっても、「一番喜ばせたい」存在なのでしょう。

3.まとめ

読んだことで得られたポイント

主人公・アスタの「楽しいことを仕事にできる喜び」「誰かひとりを大切に思う気持ち」がとても印象深く、私自身の「明日への活力」となっています。

この9、10巻からは、人とのつながりの大切さや、自分の信じた道を進む勇気をもらいました。

この本は

・力を合わせて立ち向かう小説が読みたい人

・恋愛ものが読みたい人

・不器用なコミュニケーションをするキャラクターが好きな人

におすすめな作品です!

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