
こんにちは、てつやまです。
このたび、EDAさんの異世界料理小説
『異世界料理道⑭~⑯』を読みました。
《作品情報》
・書名 異世界料理⑭~⑯
・著者 EDA
・出版社 株式会社ホビージャパン
・頁数 344/341/317
- 1.この本のここが凄い!
- 2.かんたんあらすじ
- 心に響いたフレーズ
- 「揉め事の一つや二つが何だってのさ?あたしらは、それ以上に大きな喜びは授かっているじゃないか。全ての揉め事を避けて進むことなんてできるわけはないんだから、これまで通りに 一番正しいと思える 道を探していくしかないんだよ」
- 貴族が貴族の家に生まれついたのはその者自身の手柄ではないし、貧しい人間が貧しい家に生まれつくのだって、その者の罪ではないと思うからだ。
- 「見目の麗しい女衆は、たくさんいます。でも、アイ=ファは……何と言うか、特別なのですよね。女衆としてもまぎれもない美しさを持ちながら、狩人としての精悍さも併せ持っていて……そうして、アイ=ファ にしか持ち得ない魅力というものが生まれるのでしょう」
- 心に響いたフレーズ
- 3.まとめ
1.この本のここが凄い!
「異世界×料理」というのは、珍しいものではありません。
しかし、本作品が他の料理ファンタジー小説と違うのは、「チート」が全くないこと!
一つ一つ、異世界の食材と、見知った現代の食材を照らし合わせ、試行錯誤で料理していく。
そうして、料理を通じて、人と人の縁を紡ぐところが、ハートフル!
なぜこの本を読んだのか
他作品よりも、リアルに描かれた異世界料理小説だったから読み進めました。
没入しながら読むことができ、主人公とともに成長できる作品。
2.かんたんあらすじ
異世界に迷い込んだ少年が、料理の腕で、森辺の民と呼ばれる狩人の部族たちとの縁を結んでいく話。
14〜16巻は、新たなる出会い編。
心に響いたフレーズ
「揉め事の一つや二つが何だってのさ?あたしらは、それ以上に大きな喜びは授かっているじゃないか。全ての揉め事を避けて進むことなんてできるわけはないんだから、これまで通りに 一番正しいと思える 道を探していくしかないんだよ」
14巻より。
ルウ家の家長にして、族長の一人ドンダ=ルウの伴侶、ミーア•レイ母さんのセリフ。
切符のいいおっかさんが言いそうな、豪快なセリフ。
これまで80年間、森辺の民と宿場町の人々は、お互いを忌避し続けてきました。
そんな時代を生きてきた人物だからこそ、1つ2つの小競り合いでは動揺しない、芯の強さを持つに至ったのだろうと感じました。
こういう一喜一憂しない心持ちには、とても憧れます。
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貴族が貴族の家に生まれついたのはその者自身の手柄ではないし、貧しい人間が貧しい家に生まれつくのだって、その者の罪ではないと思うからだ。
15巻より。
宿場町の民、ユーミのモノローグ。
番外編は、主人公のアスタ以外の人々の考え方が知れるので、とても面白いです。
今回のユーミは、遠くからでも貴族を見て、その人となりを大まかに把握しており、
そして近くでは、貧乏人の生活に接しているため、このような考え方に至ったのかなと感じました。
町の悪ガキたちとつるんでいるユーミですが、 人間の優しい部分と厳しい部分、
両方とも体験して、このような「酸いも甘いも噛みしめる性質」になったのかなと感じました。
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「見目の麗しい女衆は、たくさんいます。でも、アイ=ファは……何と言うか、特別なのですよね。女衆としてもまぎれもない美しさを持ちながら、狩人としての精悍さも併せ持っていて……そうして、アイ=ファ にしか持ち得ない魅力というものが生まれるのでしょう」
16巻より。
貴族の浴堂で、アイ=ファの裸身を見た後の、アマ・ミン=ルティ厶のセリフ。
アイ=ファの魅力を端的に言い表したセリフとして印象に残っています。
森辺の若い女性は、麗しい人物が多い。
しかしその麗しさに、狩人としての清廉さ、強さ、たくましさが加わったアイ=ファは、とてつもない魅力を持っているということを再認識させてくれるセリフです。
他のキャラクターのセリフで、主要キャラクターの魅力を読者に伝えるいい場面だと感じました。
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3.まとめ
読んだことで得られたポイント
異世界で出会った森辺の民との関係を通じて、
「揉め事を恐れず前に進む姿」や「血族の絆の重さ」が心に残りました。
たとえば、ミーア・レイ母さんの「揉め事の一つや二つが何だってのさ」というセリフには、長年の対立を乗り越えてきた強さと覚悟がにじみでいて、衝突を避けるよりも、自分が信じる道を進むことの大切さを教えてくれます。
また、ユーミの「身分の違いは生まれた家の違いなだけ」という考え方も、人を肩書で判断しないことの大切さを示しており、好印象。
もちろん肩書には、その人の役割や責任、経験が詰まっているので、状況によっては判断材料として有効です。
たとえば医師や弁護士など、専門性が求められる場面では肩書が信頼につながることもあります。
しかし、肩書だけで人を決めつけてしまうと、その人の本音や人柄を見落としてしまうことにもつながります。
だからこそ私は、まずは肩書を外して、人と向き合うことで、より深い信頼関係が築けるように努めたいと思います。
読後、人の肩書よりも、その人自身を見ようという気持ちが強くなりました。
この本は
・人との衝突が怖くて一歩踏み出せない人
・肩書きや立場にとらわれずに人と向き合いたい人
・自分の弱さや未熟さを受け入れたいと思っている人
におすすめな作品です!
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