『硝子の塔の殺人』知念実希人/あなたの中の「名探偵」像が変わるかも!?

てつやま
てつやま

こんにちは、てつやまです。

このたび、知念実希人さんのミステリー小説

『硝子の塔の殺人』を読みました。

《作品情報》

・書名  硝子の塔の殺人

・著者  知念実希人

・出版社 実業之日本社

・頁数  501

1.この本のここが凄い!

「硝子の塔」という、「クローズドサークル」の中で次々と行われる殺人事件!?

謎を解く、名探偵。それに対する殺人犯…

本格ミステリの舞台を《そのまま》用意した作品。

なぜこの本を読んだのか

「本屋大賞2022ノミネート作品」と聞いたため、読んでみました。

さらに、「硝子の塔」という、「クローズドサークル」の中での事件にわくわくするため読んでみました。

2.かんたんあらすじ

雪深き森で、燦然と輝く、巨大な硝子の塔
ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、刑事、霊能力者、小説家、料理人など、
一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた…
そして、この館で次々と惨劇が起こる。
謎を追うのは名探偵・碧月夜医師・一条遊馬

心に響いたフレーズ

この物語は、『硝子館の殺人』はすでに幕を下ろしたのだ。

冒頭での、《医師》一条遊馬のモノローグ。

自らを「犯人」と語る人物、医師の一条遊馬の心の声。

犯人が最初から分っている倒叙形式のミステリーなのかな?と感じましたが…

違う、連続殺人事件なんかじゃない。

《医師》一条遊馬のモノローグ。

神津島の遺体(加々見が確認)発見後、《執事》老田の死体(現場を荒らさないよう加々見が注意)が発見。

《執事》老田の事件には関与していない一条。

連続ではないことを、彼は知っていた。

しかし、彼以外にも知っている人物もいて…その人物こそ、《執事》老田を殺害した犯人で…?

月夜にとって『名探偵であること』は、常識やモラル、そして自分の命よりも遙かに重要だから。

《名探偵》碧月夜の性質を言い表した《医師》一条遊馬のモノローグ。

月夜の「名探偵」に執着する異様さ…

この執着こそ、この物語の本質といっても過言ではないのかも…

3.まとめ

読んだことで得られたポイント

『硝子の塔の殺人』は、犯人が最初から明かされる形で始まる、
「倒叙ミステリー」でありながら、物語が進むにつれて、
新たな謎が生まれ、二転三転する構造が魅力的です。

この物語は、人間の執着と理想をテーマにした作品。

「執着」が人の行動をどのように変えてしまうか、
そして「理想」が時に狂気へと変わる可能性があるということを教えてくれました。

推理の面白さを楽しむと同時に、

「名探偵とは何か?」

「名探偵の役割とは何か?」という問いを深く考えさせられる作品です。

この本は

・ミステリーマニアな人

・《名探偵》像にこだわりがある人

・クローズドサークルものが好きな人

におすすめな作品です!

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