
こんにちは、てつやまです。
今日紹介する1冊はこちら
『好きを言語化する技術』三宅香帆

本書は、「推し」への感想が「やばい」しか出てこない人へ向けた、
「自分の言葉をつくる」技術を解説した本。

なんでこの本を読んだの?

著者の前書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』という本が面白かったため読んでみたくなりました。
また、「素晴らしい」ことに対して「やばい」くらいしか言えない現状を打破したいと感じていたため、読んでみみました。
本の内容で大事な3つのポイント
①他人の言葉と距離をとろう!
②好きを膨らませる方法。鍵は「妄想」!?
③語る目的は「興味をもたせる」こと!
一つずつ解説していきます!
①他人の言葉と距離をとろう!
現代は、周りの声に左右されやすい時代
SNSやインターネットといった、情報が周りにあり溢れている現代。
「自らの考えを持つことが大事」といいつつ、情報の渦に巻き込まれると、そんなことも、とても困難となります。
また、「すごい」「泣ける」「感動」などのありきたりな言葉であっても、
それなりに感想っぽくなってしまうことも、「自分の言葉」を阻害してしまう要因です。
なぜなら、そのありきたりな言葉でも、なんとなく伝わってしまう、そしてそれ以上を手間だと感じ、思考を停止してしまうからです。
周りの声に左右されやすい時代だからこそ、「自分の言葉」を作るための工夫がとても重要になるのです。
では、その工夫とはなんでしょう…
どうしたら他人の言葉に影響されない「自分の言葉」を持てるのでしょう?
自分の言葉をつくるために、他人の言葉から距離をとる!
他人の言葉に影響されない「自分の言葉」をつくる。
それは、自分の言葉を吐き出す前に、他人の言葉を見ないことが一番!
「外から良いものを手に入れたい」
「正解は、どこかに転がっているのではないか?」
ついつい、インターネットで推しについて調べてしまうのは人情。
そこをぐっと我慢して、「自分の言葉を作るまでみない」と決意する。
自分の内面にある推しへの好きを、しっかり書き出す。
まずはその行動が大切なのです。
②好きを膨らませる方法。鍵は「妄想」!?
独自の感想は、細分化で生まれる!
著者いわく
「感想の言語化とは、細分化すること」
感想の言語化とは、たとえば、「泣ける」という感想の理由をさぐっていく作業。
なぜ、泣けると感じたのか?
何に、泣けると感じたのか?
どこに?誰に?いつ?などなど…
「泣ける」という漠然とした感想を、細かく細かく考えていくことで、独自の視点に気づかせてくれます。
妄想を膨らませて「好き」を突き詰めよう!
「感想の言語化とは細分化すること」
この細かく考える作業を飛躍的に向上させるのが、「妄想」なのです!
「あの主人公とヒロインが別れるところが泣ける」
と言語化したものを
「もしかしたら主人公は、ヒロインとの別れを予期していたのかもしれない」
「そしてヒロインも、そのことに気づき、別れを自分から促していたのかも」
「それならば、お互い思い合った二人は、物語では別れたままだが、その後再会する展開もあり得るんじゃないかな」などなど…
たかが妄想、されど妄想
妄想だから、推しの解釈として必ずしも正しいとは限りません。
しかし、妄想とはそもそも主観的な思考。
正しさよりも、「そう思う」という自分の感想に、重きを置いてしかるべきもの。
そして、「そう思う」という「自分の好きな解釈」を積み重ねることで、
自分自身の「好き」を大事にできるのではないしょうか?
③語る目的は「興味をもたせる」こと!
必要以上に語ることは本末転倒?
誰しも、推しについては、好きがこうじて様々なことが知りたくなるものです。
知りたい、だから調べる。調べて、好きなところが増える。
好きなところが増えると、その全てを伝えたくなるのも人情です。
しかし、「せっかく調べたので全て伝えたい」と思い、100㌫伝えようとすると、
結局中途半端になって、うまく伝えることが出来なくなります。
そこで、推しを語るうえでもっとも大切なことは、
「興味を持ってもらう」
に注力することなのです。
相手に伝えるのは「きっかけ」でOK!
推しを語るうえでもっとも大切なことは、「興味を持ってもらう」こと…
たくさんの情報を大量に聞かされても、人間が覚えていられるのは、2つ3つくらいなもの。
だからこそ、推しの良いところ、伝えたいことは3つくらいに絞る。
絞れば、必要だと感じる箇所でも、端折らないとなりません。
重要なのは、相手が興味を持ちそうな箇所を残すことです!
「へえ~そうなんだ…ちょっと調べてみようかな」
そう思わせることが出来れば、あとは勝手に調べてくれます。
推しの良さが伝わるとは、相手に興味を持ってもらうことが一番の近道なのです。
まとめ
繰り返しとなりますが、本書のポイント
①他人の言葉と距離をとろう!
②好きを膨らませる方法。鍵は「妄想」!?
③語る目的は「興味をもたせる」こと!
タイトルの『好きを言語化する技術』について。
以前は、個性的な感想などは、天性の才能だと感じていました。
しかし、本書タイトルに「技術」とあるように、修練を積めば会得できるものだと、
この本を読み進めていく内に思えるようになりました。
また、言語化するためには、「妄想力」が大事という話を聞いて、
この妄想とは、「こだわり」とも言い換えることができるのではないかと感じています。
なぜなら、「何が好きな部分なのか」を曖昧なままにせず、そして他者がどう言っているかをいったん度外視してこまかく考え続ける。
その繰り返しが、私としては「こだわってるなあ」と感じたからです。
「こだわり」は、自分を構成する要素。
「妄想」も、同じ。
どちらも、好きなものを楽しんでいる内は、更なる力を与えてくれるものなんだと思いました。
この本は
・感想が「やばい」しか思いつかない人
・自分らしい感想を持ちたい人
・推しについて語らいたい人
におすすめな一冊です!
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